・天空率の用途
天空率を採用する利点は、デザインの自由度を高め、空間を効果的に活用できることです。道路斜線や隣接地の斜線との衝突が発生する場合、天空率の適用により高度制限を緩和できる可能性があります。
※日影規制、高度地区、絶対高さ制限を緩和できない。
・天空率とは?
測定ポイントから空を見上げた図(天空図)の中で、空の割合を表します。
・天空図とは?
「測定ポイント (O)」と建築物の頂部(指定点 A、B)を結んだ際に発生する「P」を、垂直に投影面に描くことで、天空図(正射影投影法)を作図します。最終的には、円(水平投影面)の面積から建築物の投影面積を引いた割合で天空率を算出します。
・測定ポイントとは?
1.道路斜線を緩和する場合。
測定ポイントは、各高さ(斜線)制限毎に定められています。斜線制限を適用する各ポイントに対して天空率を計算します。たとえば、道路境界線の緩和を検討する場合、前面道路の反対側の境界線上に、道路幅の半分以内の間隔で測定ポイントを均等に配置します。
2.隣地境界線を緩和する場合。
「一の隣地方式」による天空率の検討は、隣地斜線の緩和において一般的に用いられる方法です。この方式では、隣地斜線の天空率を算定する際に、隣地境界線を一つにまとめるアプローチを取ります。この手法を適用するためには、まず隣地として扱う「同一区間」を設定する必要があります。
・適合建築物と計画建築物
適合建築物:斜線に適合する最大容積の建物です。道路斜線による最大建物容積を表します。この場合、建ぺい率や容積率、外壁後退距離などの規制は無視されます。あくまでも、敷地全体に建設できる容積です。
計画建築物:実際に建設される建物です。
・判断基準:
適合建物の天空率≦計画建物の天空率であれば、適合と判断されます。
斜線制限を満たさなくてもOK。
・天空率の計算方法:
天空率・日影計算高さ解析専用システムであるADSを推奨します。ADSには以下の便利な機能が備わっています。
(1)自動生成と一括計算:与えられた条件に基づいて、天空率算定領域(高さ制限適合建物、計画建物、測定ポイント)が自動生成されます。これより、天空率解析の結果が迅速に得られ、迅速な設計が可能になります。
(2)天空率ナビ:適合しない測定ポイントから、天空率が適合する計画建物の範囲を表示します。間口方向または高さ方向のどちらかを選択可能です。
(3)自動カット:適合しない天空率算定領域で、全ての測定ポイントで天空率が適合するように計画建物を自動的にカットします。カットの割合を調整可能です。
・専門家に天空率の検討を依頼:
当社では、経験豊かな建築士が天空率対応のボリュームチェック業務を提供しています。
弊社はADSライセンスを保有しており、最新の設計ソフトウェアを活用して天空率の検討が可能です。
お客様のプロジェクトに合わせて、適切な天空率の計算や適合性の判断を行い、的確なアドバイスを提供いたします。
経験豊富な専門家がお客様のご要望に丁寧に対応し、最適な解決策をご提案いたします。