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ボリュームチェックとは?容積率や重要性について解説!


建物を建築する上では、「ボリュームチェック」を行うことが非常に重要です。ボリュームチェックを行うと、土地の収益性を正確に判断できます。そのため、収益を目的としてマンションなどを建築する場合は、ボリュームチェックを適切に行える業者に依頼するのが望ましいです。そこで今回は、ボリュームチェックの重要性や容積率について解説します。業者に依頼した際の費用の目安などもあわせて紹介するため、ボリュームチェックを検討している方はぜひ参考にしてください。


目次

 

1.ボリュームチェックとは?


ボリュームチェックとは、建物を建築する際にどのくらいの容積率を消化できるかを示す確認作業のことです。ボリュームチェックを行わないと、どのぐらいの容積率を消化できるかを正確に把握できません。テナントやマンションを賃貸として貸す場合、土地の収益性を明確に知る必要があります。ボリュームチェックを行うと、どのぐらい容積率を消化できるかを把握できます。


1-1.土地に対してどの程度、容積率を消化できるかを確認すること

ボリュームチェックを行う際は、容積率をどのぐらい消化できるかを確認することが重要です。なぜなら、建築する土地の法律や条例により、本来の容積率を消化できない場合があるためです。


たとえば、建築物の前の道路が狭い場合などでは容積率を消化しきれないケースがあります。狭い道路には道路斜線制限が設けられているため、基準よりも道幅が狭いと規制の対象になります。前面道路が狭い場合は、建物の上部の一部分を斜めに削って建築する必要があります。斜めに削って建築すると、日陰にならないため規制の対象になりません。しかし、建物を斜めに建築すると景観を損ねる場合があるため、状況をみて判断しなければなりません。


景観を気にする場合は、斜めに削る代わりに建築物を低く太く建てたり、高く細く建てたりして日陰の高さを調整する方法もあります。

日陰を調整して建築する際は、天空率を計算して行われることが多いです。道路斜線制限を満たすように建築することで、理想の建築物を建てられるようになります。

また、日影規制も考えないと容積率を消化できない場合があります。日影規制とはほかの建物に日光が当たらない場合に規制される制限です。日影規制も建築する際に、建物の上部を削ることで調整する必要があります。


1-2.容積率について

ボリュームチェックを考える際は、容積率を理解する必要があります。

容積率とは、建物全体の延べ面積に対する敷地面積の割合のことです。たとえば、容積率100%の場合は、50㎡の敷地に50㎡の延べ面積の建物を建てられます。1階が30㎡の延べ面積である場合は、2階は20㎡の延べ面積まで建築可能です。

マンションなどに設置されている共用部分などは容積率に含まれないため、エレベーターや昇降路などは計算しなくて問題ありません。これ以外にもいくつか規制があるため、建築したい条件に応じて容積率を事前に計算しておくことが重要といえます。

なお、容積率の規制は用途や地域によって異なります。


2.ボリュームチェックの目的


ボリュームチェックを行う主な目的は、明確な事業計画を立てられるようにするためです。土地を購入して賃貸物件を建築する際は、どのくらいの収益を得られるかを事前に計算しておかなければなりません。賃貸物件を貸す際にボリュームチェックを行わないと、概算や見積もりを正確に分析できず、失敗してしまう可能性があります。

また、建物を建築する際は法規を確認する必要があります。ビルやテナントを建てる場合は、法律や条例に適しているかを調べなければいけません。法律や条例を調べておかないと、そもそも建築できない場合があります。建築物を建てる前にボリュームチェックを行い、建築するかどうかを判断しなければなりません。


3.ボリュームチェックを実施するべき土地

ボリュームチェックを実施すべき土地は、高さのある建築物を作る場合です。

高層ビルなどを作る際は、ボリュームチェックを行わないと法規に従った建築を行えない場合があります。賃貸マンションやオフィスビル、テナントビルなどを建築する際はとくにボリュームチェックを意識する必要があります。高さのある建築物を建築する際は、日陰や景観を損ねることがあるため規制の対象です。用途地域により規制が厳しい場合もあり、住宅街のような場所では高層ビルを建築できない場合があります。

建築規制を調べるには、専門知識を有する業者に依頼たほうがいいです。建築士のような専門家に調べてもらうことで、容積率に応じた建築物を建築できます。


4. ボリュームチェックの依頼先            


4-1.ボリュームチェックは「設計」ではありません

建築士法によれば、他人からの委託に基づいて一定規模以上の建築物を「設計」する場合、建築士の資格と建築士事務所の登録が必要がありますが、ボリュームチェック業務は建築法上の「設計」ではありません。

その理由は次の通りです。建築士法において、「設計」とは「設計図書」の作成を指します。設計図書とは、建築工事を実施するために必要な図面と仕様書のことを指します。主に「意匠図」、「構造図」、「設備図」、「外構図」の4つの種類があります。ボリュームチェックで作成される図面はいずれにも該当せずので、「設計」業務には含まれません。(確認先:国土交通省建築指導課

「意匠図」とは、建物全体の形態や間取りなど、デザインの側面に重点を置いた図面です。ボリュームチェックの図面は容積率計算に使用される概略的な図面であり、建物の外観形態や間取り、デザインには触れませんので、「意匠図」とは異なります。

 

4-2.ボリュームチェックの依頼先

ボリュームチェックを行う依頼先は大きく分けて3つあり、建築士事務所、土地活用会社、独立の建築士です。

どの業者に依頼する場合でも、実績や経験のある業者に依頼しなければいけません。ボリュームチェックは基本設計レベルの図面作成ではありますが、専門知識が必要な作業です。建築士の資格を有する方に確認してもらわないと、土地の正確な価値を判断できない恐れがあります。

業者を選ぶ際は、複数の業者を比較することが重要です。ひとつの業者だけに絞ると、適正価格がわからずサービスも適さない場合があります。複数の業者と比較して、費用や作業期間などを事前に確認しましょう。良心的な業者を探すには、口コミや周りの評価を確認することが重要です。インターネットで調べると、利用者の声が書かれていることがあり参考になります。知り合いにボリュームチェック利用者がいる場合は、その知人にどの業者を利用したかを確認するのもよいでしょう。


5.ボリュームチェックにかかる費用と日数


5-1.費用

ボリュームチェックの費用は、業者のサービスにより異なります。ボリュームチェックの相場は、2万円~10万円といわれています。土地活用の営業を目的として、無料でボリュームチェックを行う業者も存在します。


ボリュームチェックを無料で行う場合は質が低い場合があり、適正な土地価格を検討できていない可能性があります。地域により建築基準や条例が異なるため、無料ですべてのボリュームチェックを行うのは難しいです。安心して建築物を建築するためには、質の高いと判断できる業者に依頼をするのが望ましいです。


建築事務所には多くの優秀な建築士が在籍しており、技術力に問題はありません。しかし、運営コストが高いため、ボリュームチェックの費用も高くなってしまいます。一方、ボリュームチェックは建築士法上の「設計」業務には該当しないため、建築士事務所を通さずに独立して活動している建築士に依頼することが可能です。高額な建築事務所に依頼するよりも、フリーランスの建築士や、副業として活動している建築士に依頼する方が、圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。

 

5-2.日数

建築ボリュームチェック業務の平均日数は、プロジェクトの規模、複雑さ、依頼内容、および現地条件によって大きく変わります。簡単なボリュームチェックであれば、1日から2、3日で完了することは可能です。

しかし、プロジェクトの規模や複雑さ、依頼内容によっては1週間、またはそれ以上の時間がかかることもあります。事前に具体的な要件を確認し、スケジュールを調整することが重要です。


6.ボリュームチェックの確認手順


ボリュームチェックではいくつかの法規制を確認する必要があり、適切な確認手順のもと行なわなければなりません。具体的にどのような手順でボリュームチェックを行うべきかを解説します。


ステップ1:容積率を調べる

ボリュームチェックは、容積率を調べることがとくに重要です。容積率に応じて建築物の大きさの限度が異なるため、ボリュームチェックで土地の容積率を調べる必要があります。とくに高層マンションやテナントビルを建てる場合は、容積率が大きく影響します。ほかにも、用途地域や条例により容積率に規制がかかります。

業者に依頼してボリュームチェックを行わないと、適切な容積率を確認できません。規制の事例として、建築物の前面道路の幅員が12m以上かどうかで容積率は異なります。前面道路の幅員が12m以上の場合は指定容積率ですが、前面道路の幅員が12未満の場合は建築できる大きさに制限がかかります。住居系の用途地域で幅員が12m未満の場合は、前面道路の幅員 × 0.4mです。住居系以外の用途地域で幅員が12m未満の場合は、前面道路の幅員 × 0.6mと制限がかかります。


ステップ2:各種制限の確認

容積率以外の各種制限も確認する必要があります。なぜなら、容積率を算出してもほかの制限により、容積率をすべて消化できない場合があるためです。容積率をすべて消化するには、どのような規制があるかを確認することが重要といえます。

各種制限には、用途地域高さ制限、防火地域の指定、高度地区、避難経路、各種自治体の条例などがあります。これらの制限を満たしたうえで計算を行わないと、適切な容積率を算出できません。事前に各種制限を確認しなければ、希望の建築物を建てられない場合があります。それだけでなく、賃貸マンションを建築する場合は制限の都合で、当初の予定よりも収益性の低い物件しか建てられなくなるかもしれません。賃貸物件を運用する場合は、各種制限を確認することが非常に重要です。ご自身の建築したい物件の各種制限を調べることが難しい場合は、一級建築事務所やハウスメーカーの業者に相談することをおすすめします。


7.容積率が消化しきれない原因


ボリュームチェックを行うことで、容積率を消化しきれない原因が判明する場合があります。容積率を消化しきれないケースについて、いくつか解説します。


7-1.前面道路の幅員が狭いケース

前面道路の幅員が狭いケースでは、容積率をすべて消化できない場合があります。前面道路の幅員が狭い場合は、道路が日陰になる関係で規制されています。前面道路の幅員で制限される割合は、用途地域により異なります。一方、道路斜線制限はすべての用途地域で適用されます。道路斜線制限を意識しないと、容積率をすべて消化できない原因となるため注意が必要です。道路斜線制限は建物を斜めに削る方法であり、斜めに削った部分が空間となってしまうため、容積率を消化できない場合があります。前面道路が広ければ建物を斜めに削る必要はないため、状況に応じて建築方法を考える必要があります。先ほども紹介したとおり、斜めに削らなくてもよい方法として天空率で計算する方法があります。しかし、天空率で計算しても容積率に制限がかかるのは変わりません。


7-2.高度地区等の絶対高さの制限があるケース

高度地区などの高さに制限があるケースでは、容積率をすべて消化できない場合があります。高度地区などの住宅街などでは、建物の高さを制限する場合があるため、ビルやテナントを建築できない場合があります。住宅街で高さを制限する理由は、高層ビルが多く建つと常に日陰になる場合があるためです。また、賃貸マンションを建築する場合は1階あたりの高さを3mと制限していることが多いです。高さ制限を1階あたり3mとして計算すると、上限20mの建築物の場合では6階までのマンションしか建てられません。容積率の制限だけを考えるのではなく、高さ制限により容積率を消化できるかも確認しなければいけません。


7-3.日影規制があるケース

日影規制がある場合は、容積率を消化できない原因になります。日影規制とは、隣接する建物などに日陰を生じさせないように規制する制度です。日影規制は冬至の日陰の時間を基準に設定しています。日影規制の対策として、マンションを建築する際には北側の上部を削って建築する方法があります。マンションの北側を階段状に建築する建物をよく見かけますが、日影規制の対策である建物の可能性が高いです。デザイン性を求めて階段状にあえて建築する場合もありますが、日影規制を意識して建築する場合は北側を階段にするなどの対策が必要です。マンションの北側を階段状に後退させることにより、日影規制の基準を満たせます。しかし、その分容積率をすべて消化できなくなるケースがあるため確認が必要です。日影規制以外にも北側斜線制限などの規制もあり、容積率をすべて消化できるかを判断するためにも、ボリュームチェックが非常に重要といえます。


8.容積率を消化しない方がいいケース


ここまでは、容積率を消化できない原因や容積率を消化したほうがよい理由について解説しました。しかし、場合によっては容積率を消化しないほうがよい場合があります。どのような場合に容積率を消化しないほうがよいかを解説します。


8-1.賃貸需要が少ない場合

賃貸需要が少ない場合は、あえて容積率を消化しないほうがよいでしょう。賃貸需要がなければ物件の容積率を消化しても、収益を回収できない場合があります。都会などに賃貸マンションなどを建築する際は、需要があるため容積率を意識しなければなりませんが、都会ではない場所にテナントビルなどを建設する場合は、容積率を無理やり消化しなくてよい場合があります。賃貸需要があるかは、事業計画の収支シミュレーションが重要といえます。無理やり容積率を満たそうとすると、工事を行ったり設備を整えたりしなければならず、初期費用も大幅に増えてしまいます。無理に容積率を満たすのではなく、きちんと事業計画を行ったうえで容積率を満たすべきかどうかを判断しましょう。


8-2.狭い土地にマンションを建てる場合

狭い土地にマンションを建てる場合も、無理に容積率を消化しなくても問題ありません。狭い土地にマンションを建てると道路斜線制限や日影規制の関係で、上部の階層を削らなければいけないケースがあります。賃貸マンションの場合、上部の階層を削ると貸しづらい物件となり、物件の価値が下がります。また、物件の価値が下がるだけでなく、初期費用も余分にかかります。容積率を満たせなくてもマンションの運営方法により収益は上げられるため、狭い土地にマンションを建てる場合は容積率をそれほど気にする必要はありません。容積率を消化しなくてもよいかの判断は、一級建築士やハウスメーカーなどの専門家にボリュームチェックを依頼するのが望ましいです。ご自身で確認しても、用途地域の制限を誤って認識していたり、賃貸収入のシミュレーションを適切に行えなかったりする可能性があります。ボリュームチェックを腕のある業者に依頼して、どのくらいの建築物を建てられるかを相談しましょう。


9.まとめと案内


今回は、ボリュームチェックの重要性や容積率の概要について解説しました。賃貸マンションやテナントビルを建築するうえでは、建築物の収益性を考える必要があるため、ボリュームチェックを行うことが非常に重要といえます。用途地域や前面道路の幅員の広さなどにより、容積率の制限も大きく変わるため、ボリュームチェックの重要性について理解する必要があります。マンション建築を考えている方は業者にボリュームチェックを依頼して、容積率をうまく消化できるように建築しましょう。

 

七月設計は多くの建築士と密に連携しており、高いコストパフォーマンスを実現した質の高いプランを提供いたします。ぜひ、お客様のボリュームチェック業務をお手伝いさせていただき、事業のサポートをさせていただければと思います。協力させていただければ幸いです。




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