top of page

建築系CAD とは?

更新日:6月1日


建築系CAD

 

目次



1.CADとは?                    

CAD(Computer-Aided Design)ソフトウェアは、コンピュータを使用して設計や図面作成を支援するためのソフトウェアです。これは、建築、製造、エンジニアリング、プロダクトデザイン、グラフィックデザインなど、さまざまな分野で利用されています。CADソフトウェアは、手作業で行うよりも迅速かつ正確な設計を可能にし、設計者がアイデアを視覚化し、詳細な図面を作成するのに役立ちます。


主な特徴には以下が含まれます:


1. 2Dおよび3Dモデリング: CADは平面的な2D設計から、3Dモデルを作成するための機能を提供します。


2. 精度と正確性: 寸法や座標の変更が簡単に行え、高い精度で作業ができます。


3. 再利用性:部品やデザインの再利用が可能で、ライブラリやテンプレートを使用することで効率が向上します。


4. 協力作業:複数の設計者が同時に協力してプロジェクトに取り組むことができる。


5. シミュレーションと分析:一部のCADソフトウェアには、物理的な挙動や性能のシミュレーション、解析を行うためのツールが組み込まれています。


代表的なCADソフトウェアにはAutoCAD、SolidWorks、CATIA、Fusion 360、SketchUpなどがあります。これらのソフトウェアは、特定の業界や設計ニーズに合わせて様々な機能を提供しています。


2.CADの種類                    


2-1.二次元CAD(2D CAD)と三次元CAD(3D CAD)


2次元CAD(2D CAD)

2次元CAD

特徴:

1. 平面的な表現: 2D CADは主に平面的な情報を取り扱います。線、円、ポリゴンなどを使用して平面上に図形を描画します。

2. 主に寸法図: 主に建築の平面図、断面図、立面図、機械の部品図など、平面的な構造を表現するのに適しています。

3. 比較的シンプル: 操作が比較的シンプルで、初心者でも扱いやすい。


3次元CAD(3D CAD)


3次元CAD

特徴:

1. 3次元のモデリング: 立体的なオブジェクトを表現します。物体の奥行き、高さ、幅が考慮されます。

2. リアルな視覚化: 物体や構造をより現実的に描写でき、視覚化が容易です。

3. 複雑な形状の設計: 曲線や非常に複雑な形状を作成でき、製品の外観や挙動をより詳細に設計できます。

4. シミュレーションと解析: 物理的な特性や挙動のシミュレーション、解析が可能。


どちらも特定の用途によって選ばれます。2D CADは平面的なプロジェクトに向いている一方、3D CADは建築や製品デザイン、エンジニアリングなど、より立体的な要素が重要な場合に利用されます。多くの場合、プロジェクトによっては2Dと3Dを併用することもあります。


2-2. 汎用CADと専用CAD

専用CAD(Specialized CAD)と汎用CAD(Generic CAD)は、異なる設計ニーズに対応するためのCADソフトウェアのタイプです。


汎用CAD(Generic CAD)特徴:

1. 汎用的な使用可能性: あらゆる分野や設計ニーズに適用可能です。建築、機械、電気など異なる分野のプロジェクトに利用できます。

2. 柔軟性がある: 幅広い機能を提供し、ユーザーがプロジェクトに応じて柔軟に利用できるようになっています。

3. 多様な業界で採用: 様々な業界で利用され、一般的なCADソフトウェアがこれに当たります。


専用CAD(Specialized CAD)特徴:


建築CAD

1. 特定の用途に最適化: ある特定の分野や業界向けに設計されています。例えば、建築CAD、機械CAD、電気CADなどがあります。

2. 業界標準に従った機能: その分野での標準的な手法や機能を提供しており、特定のプロセスや業務に特化しています。

3. 専門家向け: その分野での専門家やプロフェッショナルが効率的に作業できるようになっています。


どちらを選択するかは、プロジェクトの性質や業界によって異なります。特定の分野に特化したCADが必要な場合は、専用CADが効果的です。一方で、多岐にわたるプロジェクトに柔軟に対応する必要がある場合は、汎用CADが適しています。


3.建築系CAD紹介                 


3-1.JWCAD


Jw(JWW)_CADは、無償で手に入る建築関連の広範なCADソフトの中で、日本国内の最も一般的な2次元CADソフトです。

建築家が開発に参加し、建築設計でよく使用される機能がデフォルトで取り込まれています。主に建築業界で広く普及していますが、アニメ制作やファッションデザインの分野でも使用されています。


Jw(JWW)CADの利点には以下があります。

  • 高機能ながら無料のソフトウェアである

  • 建築図面の作成に特に適した機能が充実している

  • 高い汎用性があり、ユーザーが独自にカスタマイズして使用できる


JwCADの欠点は以下の点が挙げられます:

  • 3D機能の制限:

JwCADは主に2D CADとして知られており、他の一部のCADソフトウェアと比較して3D機能が制限されています。これにより、複雑な3Dモデリング作業には向いていません。

  • ユーザーインターフェースの古さ:

JwCADのユーザーインターフェースは比較的古く、他の現代的なCADソフトウェアと比べると使い勝手がやや劣ると感じるユーザーもいます。

  • 更新頻度の低さ:

JwCADは更新頻度が低く、新しい機能や改善が他のCADソフトウェアに比べて遅れることがあります。これが最新の業界の要求に追いつけないことがあります。

  • サポートの限定:

公式のサポートが限定されており、ユーザーが問題に対処するためにはコミュニティやオンラインリソースに頼る必要があります。

  • プラットフォームの制約:

公式にはWindowsにのみ対応しており、他のオペレーティングシステムには直接インストールできません。Macユーザーはサードパーティのソフトを利用する必要があります。


これらの欠点はユーザーによって異なり、使用目的や好みによっても影響を受けます。


 

3-2.AutoCAD(オートキャド)




AutoCAD(オートキャド)は、Autodesk社が開発したCAD(Computer-Aided Design:コンピュータ支援設計)ソフトウェアであり、世界中で幅広い分野で使用されています。

AutoCADとJWCADはどちらもCADソフトウェアですが、それぞれの特長が異なります。以下にAutoCADの主な長所を挙げてみましょう:


  • 業界標準の普及:

AutoCADは非常に広く使われており、世界中の多くの業界で標準的なCADソフトウェアとして認識されています。これにより、多くのプロフェッショナルがAutoCADに精通しており、仕事の共有や協力が容易になります。

  • 豊富な機能とサポート:

AutoCADは多くの高度な機能やツールを提供しており、2Dおよび3Dの設計やモデリングに幅広く対応しています。また、オートデスク社が提供する公式のトレーニングやサポートが利用でき、ユーザーがスキルを向上させるのに役立ちます。

  • サードパーティ製のアプリケーション:

AutoCADは多くのサードパーティ製のプラグインやアプリケーションとの統合が可能です。これにより、業界特有のニーズに対応するための拡張性があります。

  • クラウド連携:

AutoCADはオートデスクのクラウドサービスとの連携があり、プロジェクトデータや設計をクラウド上で管理できます。これにより、複数のプロフェッショナルが同じプロジェクトにアクセスして作業することができます。

  • 業界ごとの専門バージョン:

AutoCADには建築、機械、電気など、異なる業界向けに特化した専門バージョンが用意されています。これにより、特定の分野での作業に特化したツールや機能を利用できます。


総合的に見て、AutoCADはその広範な機能、業界標準の地位、そしてサポート体制により、幅広いプロフェッショナルにとって魅力的なCADソフトウェアとなっています。




 

3-3.Revit(レビット)


Revitは、建築、構造、設備、および環境設計など、建設プロジェクト全体のためのビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)ソフトウェアです。以下は、Revitの主な特徴と機能の紹介です:

  • BIMの一元化:

RevitはBIMアプリケーションであり、建築プロジェクトにおける情報を一元化し、共有できる環境を提供します。建物全体のデータが一つのモデルにまとまり、異なる部門間での連携が向上します。

  • 3Dモデリング:

レベルや壁、ドア、窓などの建築要素を含む3Dモデルを作成できます。これにより、プロジェクトの全体像を視覚的に理解しやすくなります。

  • 設計変更の即時反映:

一度モデルに変更を加えると、それが他の関連する部分に即座に反映されます。これにより、設計変更の影響をすぐに確認でき、調整がしやすくなります。

  • ドキュメンテーション:

Revitは自動的にプラン、断面、立面などの図面を生成します。これにより、正確で整ったドキュメンテーションが容易に作成できます。

  • 設備設計:

建築だけでなく、設備や構造の設計も含まれています。電気、給排水、空調などの設備要素をモデルに取り込んで一元管理できます。

  • コラボレーション:

複数の利用者が同時にプロジェクトにアクセスし、変更を行えるため、チームでの協力がスムーズに進みます。プロジェクトに参加するメンバー全員が最新の情報を共有できます。

  • クオリティと精度:

Revitは高い品質と精度でモデルを作成できるため、建築や設備の専門家が要求する基準に適合します。


Revitは建設プロセス全体をサポートする包括的なツールセットを提供し、BIMの導入によりプロジェクトの効率性と品質が向上します。



 

3-4.Vectorworks(ベクターワークス)

Vectorworksは、建築、ランドスケープ、エンターテインメント、インテリアデザイン、プロダクトデザインなどの分野で使用されるCAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアです。


 以下は、Vectorworksの主な特徴と機能の紹介です:

  • BIMとCADの統合:

VectorworksはBIMとCADの機能を一つのプラットフォームで統合しています。建築的な要素の設計から詳細な図面の作成まで、総合的にサポートします。

  • 多岐にわたるデザイン機能:

建築、ランドスケープ、エンターテインメント、インテリア、プロダクトデザインなど、様々なデザイン領域に対応しています。これにより、異なるプロジェクトにも柔軟に対応できます。

  • 3Dモデリング:

3Dデザイン環境が豊富で、建築物やランドスケープのリアルなモデルを作成できます。直感的なツールを使用して、複雑な形状やディテールを表現できます。

  • ドキュメンテーション:

レイアウト、断面図、仕様書、詳細な図面を生成できます。プロジェクトの全体像から具体的な工程まで、包括的なドキュメンテーションが可能です。

  • クロスプラットフォーム対応:

WindowsとmacOSの両方で使用できます。これにより、利用者は好みのプラットフォームでVectorworksを利用できます。

  • パフォーマンスと効率性:

高いパフォーマンスと効率性が特徴で、大規模で複雑なプロジェクトにも対応可能です。大容量のデータもスムーズに処理できます。

  • コラボレーション:

チーム全体でのコラボレーションが容易で、プロジェクトに関係するさまざまなステークホルダーが連携して作業できます。


Vectorworksは幅広いデザイン業界で採用されており、柔軟性とパフォーマンスに優れたCADソフトウェアとして評価されています。


 

3-5.Archicad(アーキキャド)

ArchiCAD(アーキキャド)は、ハンガリーのグラフソフトウェア社によって開発された建築設計向けのBIM(Building Information Modeling)ソフトウェアです。以下はArchiCADの主な特徴と利点です。

  • BIM機能:

ArchiCADはBIMテクノロジーを中心に構築されており、建築物のデザイン、構造、施工の情報を包括的かつ統合的に管理できます。これにより、設計から施工までのプロセスが効率的に進行します。

  • 3Dモデリング:

ArchiCADは強力な3Dモデリング機能を提供し、建築物を立体的に設計できます。これにより、設計者はプロジェクト全体の視覚的な理解を深め、クライアントやステークホルダーにわかりやすく説明できます。

  • 設計とドキュメンテーション:

ArchiCADは、設計段階から建設文書の作成までを包括的にサポートします。自動生成される2D図面や建設仕様書など、プロジェクトの異なる側面に関する文書を効率的に生成できます。

  • 相互運用性:

ArchiCADは、他のCADソフトウェアとの相互運用性に優れています。さまざまなデータ形式をサポートし、他の設計ツールやソフトウェアとのシームレスな連携が可能です。

  • クラウドベースのコラボレーション:

ArchiCADは、クラウドを活用してプロジェクトの共同作業を可能にする機能を提供しています。複数のデザイナーが同時にプロジェクトにアクセスし、効果的なコラボレーションを実現できます。


ArchiCADは建築デザイナー、エンジニア、建築家など、建築業界の専門家によって広く使用されています。



 

3-6.ARCHITREND(アーキトレンドゼロ)



ARCHITREND ZERO(アーキトレンド ゼロ)は、福井コンピュータアーキテクト社が自社開発・販売を行っている、Windows上で動作する純国産の3次元建築専用CADソフトウェアである。


1987年にシリーズ初代となるArchi-TRENDとして発表された後、1990年にArchi-TREND-11、1996年にARCHITREND 21、2005年にARCHITREND Z、2015年にシリーズ5世代目となるARCHITREND ZEROと進化をたどり、現在日本国産建築CADで最も普及しているものの一つとなっている。


ARCHITREND ZEROは、主に日本国内の住宅設計(在来工法・2×4工法・S/RC工法)における業務効率化のための機能が充実しており、間取りプラン(平面図)から自動生成される立体モデルデータを軸に、各工法に準じた詳細図面作成や設計計算、CGパースや法規シミュレーションなど、住宅設計の一連の作業に必要とされる機能を実装している。また、すべての作業にデータがリンクしているため、整合性の高い住宅設計が行えるといった特長を持っている。

 


4.各CADの値段                   


各CADの金額は以下です。

JWCADは基本的な建築製図に関しては十分な性能を持っていますが、より高度な設定が難しいため、他の有料CADと比較すると効率が低いとされています。

ただし、JWCAD以外のCADの一つのライセンスは年間数十万円かかることが一般的であり、これは決して安いものではありません。特に利用者数が多い企業などは、これらのソフトウェアを導入する際に莫大な負担がかかります。一方で、個人やフリーランスのような個々の利用者も、これらの有料CADの利用には大きな金銭的な負担がかかることが予想されます。


そこで、一つの手段として教育版の利用が挙げられます。AutoCAD、RevitなどのAUTODESK系列のソフトウェア及びArchiCADには教育版があり、これはスタンダード版と同等の機能を提供しています。学生や教員、教育機関のスタッフが教育目的でこれらのソフトウェアを使用する際には、無料で利用できます。学生証などの在学証明書を提出できれば教育機関限定版のライセンスを自ら申請できます。


一方で、Vectorworksには学生向けのライセンスが提供されています。学生は2万円で、加盟校の学生は1万円で1年間の使用権を購入できます。


もし教員や学生でなく、また教育機関に所属していない場合でしたら、在学証明書や成績証明書、学生証、または教育機関に在籍していることを示す書類を提供できないため、教育機関限定版を無料で利用することはできません。

ただし、当社にお任せいただければ、代理で教育機関限定版を申請いたします。当社は複数の教育機関と連携し、教育機関限定版のライセンスを保有しています。そのため、AUTODESKのソフトウェアやArchiCADを非常にお得な価格で提供することが可能です。




閲覧数:324回
bottom of page